上條 麻子 先生にインタビュー

上條 麻子 先生にインタビュー

 

Okayama Chapter にて Chapter Leader を務めてくださっている上條麻子先生に「教材開発」についてお聞きしました。


この知識を、もっと多くの人に広めたいと思ったことがきっかけ。

 

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どうして教材を作ろうと思ったのですか?

リスニング、特に音の聞き取りのコツを体系立てて説明した教材が市場にあまりないと感じたことがきっかけです。

私自身、リスニングがとても苦手だったんです。英語は留学せずに国内で学んできたので、実践ではなく、教材をメインに用いて練習してきました。読み書きの実力を伸ばすのはそれほど苦労しなかったのですが、リスニングに関しては、かなり練習したにもかかわらず、効果的に実力が伸びているという感じがしませんでした。

そんなとき、飛躍のきっかけになったのが音声学だったんです。私は大学で別の言語を専攻していたので、英語を言語学の観点から学んだことがありませんでした。なので、音声学も当然学んだことがなかったんです。

学んでみてびっくりしました。日本人が英語を聞き取れない理由が、バッチリわかったんです。このことをもっと早く知っていれば、リスニングでこんなに苦労しないで済んだのに、と思いましたね。

音声学は、大学で英語を専攻している人にとっては、目新しくないものかもしれませんが、そうでない人にとっては、一生学ぶ機会のない分野だと思います。でも、英語を専門として学んでいる学生だけでなく、高校生、そして、英語を学ぶ人たち全員に有用な知識だと思いました。

けれども、音声学を一般の人向けに解説した教材って多くないんですね。それがすごく意外で…。ないなら自分が作るしかないなって思いました。この知識を、もっと多くの人に広めたいと思ったことが教材作りのきっかけです。

 

教材を作る時に工夫したことはありますか?

工夫したと言えるかどうかわかりませんが、手順としては、一度ひな型を作り、モニターを 20人ほど募集して、実際に教材を試してもらうということを行いました。今から振り返ると、このプロセスは教材作りの上で欠かせないものでしたね。

最初は、英語に関心のある人になら誰にでも役立ててもらえるようなものをつくるつもりで執筆していました。でも実際に試してもらった結果、私の教材はかなり人を選ぶ、つまり、「ターゲットがせまい」ということがわかりました。言い換えると、自分が思っていたターゲット像と、実際出来上がったもののターゲットに結構食い違いがあったわけです。

また、ETAJ 代表理事のミツイ直子さんにもモニターをしていただき、教材全体を見ていただきました。教材づくりに没頭していると、いつの間にか読者の視点が遠のき、独りよがりになりがちだったりします。なので、途中で第三者に見てもらうことはとても大事だと思います。特に、言語学や教育法に詳しい直子さんに見てもらえたことで、すごく安心感がありましたね。

そこで気づいた修正事項を踏まえ、大分書き直しを行いました。それから出来上がるまでに、半年くらいかかりました。まさに、熟成期間だったと思います。

 

教材開発に興味のある人へのアドヴァイスをください。

英語を教えている方なら誰でも、「こんな教材があったらいいのに」と思うことが一度はあるのではないでしょうか。

その思いを大事にして、教材作りを是非実現させてほしいなと思います。なぜなら、自分が「こういう教材があったらいい」と思っているということは、同じようなものを求めている人が他にも必ずいるはずだからです。

私は今ウェブサイトで教材を販売しているのですが、サイト作りと販売を通して感じるのは、必要としてくれている人は必ずいる、ということなんです。サイトのアクセス数はまだそれほど多くないのですが、それでもリピーターが着実に増え、私の記事に共感してくださり、教材を購入してくれる人が少しずつ増えてきました。本当にありがたい限りです。

それと、一度教材を作るとすべてのプロセスが頭の中にインプットされるので、英語の指導も上手になりますよ!教材をつくることで音声学の知識をベースに、効果的にリスニングの指導ができるようになりました。これは、本当に自分の強みになったと思います。

作るということは時間のかかるプロセスですけど、その瞬間瞬間に、新しい発見があります。そのひとつひとつの学びが本当に楽しいです。同時に大変でもあるのですが…(苦笑)。そうして作りあげたものが世の中に出て、それを受け取ってくれる人がいるというのも、教材を作らなければ味わえない喜びです。初めて教材が売れたときは本当にうれしかったです。あの興奮は今でも忘れられません。

ぜひ、制作のプロセスを楽しんで頑張ってほしいです。

 


 

麻子さん上條 麻子(岡山Chapter、Chapter Leader)

東京外国語大学卒。卒業後、都内の翻訳会社で編集業務に携わる。
28歳から英語を本格的に学び直し、留学せずに英検
1級・TOEIC940点を取得。
中学生から社会人に至るまで、マンツーマンでこれまでに
100人以上の生徒を指導。
大学受験、医学部受験、英検対策を専門に担当。また、企業にて社員向け
TOEIC対策講座を実施中。

 


 

 

 

 

Screenshot (24)「なみのリズム リズム音読で英語リスニング・トレーニング」
【こんな人にお薦めです!】
・文法や語彙、読解力はある程度備えているのにもかかわらず、リスニングが苦手。
・スクリプトを読んだら英文の意味はわかるのに、音で聞くとなかなか聞き取れない。
・リスニング教材をこれまでにもこなしているけれど、なかなか効果が出ない。

【教材概要】
英語のリズムを重点的に身に付けることで、リスニング力を上げるための教材です。英語の音の成り立ち、英語と日本語のリズムのちがい、そして発音の変化(リエゾン/リンキングなど)がなぜ起きるのかなど、英語の音を聞き取るために必要な知識を根本的なところから解説しています。また、英語の音の変化を「波」で図解していることも特徴です。耳だけでは聞き分けがなかなか難しかったりしますが、図を用いることで音の変化に敏感になれるよう、工夫を施してあります。こうした理論の理解と、実践練習(リズム音読)を交互に繰り返すことで、無理なく英語の聞き取りが身に付けられるようになっています。
【教材のフォーマット 】
ダウンロード教材。PDF冊子139ページ(A4サイズ)&音声ファイル(mp3。合計50分14秒)

【値段】
3980円(税込)(※効果が出なかった場合、全額返金保証付)

【購入方法】
こちらのサイトから購入できます。

【お薦めポイント】
リスニングだけでなく、スピーキングの発話を改善したい人にもオススメの1冊です。英語の音の成り立ちがわかると、リエゾンなどの発音の変化が起きる仕組みがわかり、いわゆる「日本語読み」の英語から脱することができます。1冊じっくりやっても20時間で終わらせることができるように構成してあるので、忙しい人にもオススメです!

 

2 Comments

  • 麻子先生は分析や思考の言語化が得意なので教材開発のお話をお伺いした時から楽しみにしていたのですが、期待通り、学問的な専門性も保ちつつ、それでいて学習者目線を忘れていない素晴らしい教材を作ってくださいました!特に素晴らしいと感じたのは教材音源にネイティヴスピーカーだけでなくノンネイティヴスピーカーも起用されたこと。日本では英語教材の音源というとどうしてもネイティヴスピーカーにこだわりがちですが、敢えてノンネイティヴの日本人を起用したことで、学習者の方に「これで良いんだ!自分にも出来るはずだ!」と思ってもらえるのではないかと思います。そういった細部でも学習者を応援している教材です。機会があれば是非皆さんもご覧になってみてください。

    nmitsui
  • リスニングを音声学の視点から見るというのは、全く未知の世界です。
    私の場合は、オーソドックスに『とにかく何度も聴く』ということを自分でも実践していたので、どのような形でリスニングを強化できるのか、とても興味が湧きました。

    私もテキストを作成している最中なので、『一度教材を作るとすべてのプロセスが頭の中にインプットされるので、英語の指導も上手になりますよ!』という部分に共感が持てました。
    自分の知識を復習しながら、一から作ると全てを把握できるのでとても教えやすいですよね。

    とても楽しく読ませていただきました。
    ありがとうございました。

    kamome1114

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