ETAJ 理事:鈴木裕先生にインタビュー

ETAJ 理事:鈴木裕先生にインタビュー

英語や言語学への探求心を大事にするために大手外資系会社を離職された鈴木裕先生は、今月初めての英語学習本を出版されます!
今回はそんな鈴木先生にお話をお聞きしました。


「嘘があってはならない」の思いから図書館で調べものをするうちに、探究心に火がつきました。

 

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先生が英語や言語学に興味を持ったきっかけを教えてください。

 

英語は中学のいちばん最初の授業から好きでした。それがあったから社会人になって「技術以外の強みが欲しい」と考えたときに「英語」が思い浮かんだのだと思います。言語学への興味のきっかけは職場内用のwebsite作成です。英語学習の教材資料を作ろうとして、「嘘があってはならない」の思いから図書館で調べものをするうちに、探究心に火がつきました。特に「英語の語源」と「日本語と英語の違い」が面白くてやめられなくなりました。語源を辿るうちに「そもそも言葉って何?」「言葉の起源は?」に興味が行って、以降、人間以外の言語行動や日本語の起源など、知りたいことが際限なく湧いてきています。

 

 

その後、どうやって英語や言語学を学んできましたか?

 

英語については2-3年英会話学校で学んだ以降、基本は独学です。幸い、英米の仲間との仕事の機会があったのでそれが大きかったと思います。「楽しい」という思いより「恐怖に打ち勝つため」の勉強だったと思います。実務の場で冷や汗をかかないことだけを考えていました。あまり好ましい学習方法ではありませんが、追い込まれないとできない性質なので私にはその方が良かったのかも知れません。

海外へは何度も行かせてもらいました。最初はイギリス中心で、後半10年はアメリカ中心です。世界各国から日本に来てもらうときのホストもしたりして、文化を感じる上でも勉強になりました。

言語学は本での独習です。じっくり学ぶというより、多くの本を斜め読みして、それを自分なりに解釈するのが性に合っているようです。

 

 

先生が英語を教え始めたきっかけを教えてください。

職場の仲間にはじめて英語を教えたのは15年くらい前。管理職としてそれが必要だと思ったからです。人事部門が提供する教育は現場で役に立つものではありませんでした。とは言え自分もその当時は自分が勉強したやり方と同じことを押し付けようとしていました。何も分からなかったから。言語学を学んだ後は、「それぞれの学習者に合った方法があるはず」という考えに変わり、やり方を変えました。

 

 

先生が英語の本(語源や前置詞等も含む)を書き始めたきっかけを教えてください。

 

語源に興味を持って以来、こつこつと2500語くらいの単語を形態素(接頭辞・語根・接尾辞)に分解してEXCELに入れ込んで、それをソートしたりして眺めているうちにいろいろ見えてきて、「絵で描いたら面白い」と直感してそれを書きはじめました。前置詞についても絵で描いているうちに自分の理解が深まって。それらを何かの形で世に残したかったので2011年に電子書籍「ぴくとりある」シリーズを書きました。それをミツイ直子さんに見てもらって2015年に「イラストで広がる英語の世界」を共著させてもらいました。

 

 

今回7月に出版される本の作成に関わることになったきっかけを教えてください。

 

嘘みたいな話です。SNSをはじめた頃、語源の本を参考にさせていただいていた清水建二先生に友だち申請して自己紹介しました。その後だいぶ経って、SNSで「本を書きたい」とつぶやいたら、清水先生が「書きましょう」とコメントしてきて、数日後に会って内容を決めて、その二日後に目次を作り、一週間でサンプルページを書いて、三週間後には出版者の企画会議を通りました。

清水先生の本も含めて、似たような学習本の中のイラストは「挿絵」であって「図解」ではないとお話しし、その点で意見が一致したのが大きいと思っています。

 

 

英語の先生方に、何かアドバイスをください。

 

思春期を過ぎてからの第二言語習得のための方法は「明示化」がメインとなってくると思います。その明示化、つまり文法・語法や訳語などは参考書に書いてありますが、そこに書いてあることで説明できることは限られます。辞書に書いてある「訳語」も重要な明示化の方法ではありますが、それにも限界があります。先生と生徒双方がその限界の存在を意識することと、生徒がその限界を超える手助けをしてあげられるのが、よい先生なのではないかと思います。熱意と誠実さは生徒に伝わります。分からないことを生徒といっしょに考えるのも、大切なことだと思います。

私自身は辞書で学びました。言語学習に独習は欠かせず、独習に辞書は欠かせません。それを使いこなせるようにすることが、生徒の自律性が高めることにつながると思います。辞書を読む面白さや、それによる発見の楽しさを、先生方には生徒さんたちに伝えてもらいたいと思います。

 


 

 

Hiroshi_san鈴木 裕

英語教材開発者、イラストレータ。 大学で機械工学を学んだ後に工業英語などの英語学習を始め、外資系建設機械メーカーで20年以上、英米人との製品開発プロジェクトに加わり、その中で実務の英語を学ぶ。一方で、対照言語学や認知言語学、英語/日本語の語源などを学び、その知識を基に、学習者向けに英単語や英文法・語法をイラストによって明示化する方法を探求している。 教育と教材開発に専念するため、2016年5月にメーカーを退職し、神奈川県相模大野で「おとなのための英語塾」を開塾。

鈴木先生のブログ:日本語と英語をつなぐ

 


鈴木先生の初出版本!清水健二先生との共著です。

イメージと語源でよくわかる 似ている英単語使い分けBOOK

2016年7月22日 発売

 

【本の概要】

似ている英単語(類義語)の違いを解説した本です。共著の清水先生の名著として知られる「似ている英単語使い分けBOOK」シリーズ3冊の中から重要項目を選び出し、そこに概念的な図解としての私のイラストを加え、かつ私の得意な語源の話をふんだんに入れて説明を書き換えました。実際に使い分けに悩む場面が多いものとして新しい項目も加えました。

 

【本の見所】

語源を考えると語間の違いが明確になって頭に入りやすいことを実感いただけると思います。分かりやすくて親しみやすいイラストを数百カット入れ、認知言語学的な要素も分かりやすい表現で書き入れました。類語間が「どう違う」だけでなく、「なぜ違うのか」まで分かりやすく言及しています。充実の477ページです。

 

【鈴木先生からのメッセージ】

自分でも「類義語の使い分け」の本はたくさん見ましたが、これに似た本は見たことがありません。小難しい本ではなく、読みものとしても楽しめます。「英語が好きになる」ことのきっかけにしてもらえるのではないかと思います。「なるほど」と思っていただけるところがたくさんあると思います。学習者はもちろん、英語を教える方々にも是非参考としていただきたいと思います。

 

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