伊藤貴子先生にインタビュー

伊藤貴子先生にインタビュー

コーチとして活躍している伊藤先生は、今まで多数の外国にてお仕事をしてきた経験をも活かし、今では英会話も教えています。

今回はそんな伊藤先生にお話をお聞きしました。


相手の変化、成長を見つけることは私の喜び。

 

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先生の活動について教えてください。

 

独身時代は国際協力専門家、現在はコーチ、英会話講師として活動しています。コーチ、コーチングという言葉になじみのない方もいらっしゃるかもしれません。コーチングとは、クライアントさんのお話しを聞き、時には質問したり、私が感じたことをお伝えしたりして、会話をしながら、クライアントさんがより早く、目標に近づけるようにするお手伝いです。英語力アップが目標の方もいらっしゃれば、資格合格や、やりたいことの実現を目標にされている方もいらっしゃり、それぞれの目標にあわせてサポートさせていただいています。

また、英会話講師としては、学校英語が使えるように「間違えても大丈夫、まずは話してみよう!」という英会話レッスンをしています。

コーチングも、英会話レッスンも大事にしていることは、相手の可能性を信じ、その可能性を引き出すということ。相手の変化、成長を見つけることは私の喜びでもあるので、こうした活動を仕事にできて、私自身も毎日が充実しています。

 

コーチとして、生徒と関わる時に心掛けていることはありますか?

 

心がけていること、いろいろありますが、まとめると以下の3点です。
1つ目は生徒さんの目的を忘れないということ。海外旅行で英語が話したいと思って始めた英会話なのに、英会話学校に通っている間に内容が旅行英会話からビジネスレベルになり、それで英語が嫌いになってしまったという知り合いがいます。実は、その話を聞いたのが、私も英会話レッスンを始めようと思ったきっかけです。

そして、私の英会話レッスンの生徒さんの目的の大半が、旅行英会話か日常英会話。だから、文法は二の次にして、「正しい英語を話すべき」「間違えてはいけない」という思い込みをゆるめて、まず英語を話してみましょう というレッスンをしています。また、話す内容も、生徒さんの目的にあわせて、旅行や日常でありそうなことを選んでいます。おかげで、「苦手だと思っていた英語が楽しくなってきた」という声をたくさんいただいています。

 

2つ目が 「○○は英語でなんて言うんですか?」と生徒さんから質問されたとき、すぐに答えるのではなく、まず自分で考えてもらいます。そのヒントが和文和訳です。例えば、「そんなの、朝飯前よ。」 と言いたいけど浮かばない。そんなとき、もう一歩、日本語で考えてもらいます。「朝飯前」 をもっと子どもに説明するようなシンプルな日本語に置き換える。例えば、「簡単」 とか。そうしたら、easy が思いつく。

実際の英会話の場面では、辞書など使ってられません。だから、自分が知っている英語を総動員して、伝える努力をすることが必要になります。でも、ふだん話している日本語をそのまま英語にしようとして、英語が浮かばない、頭が真っ白思考停止状態「英語が話せない」と言う人が多いんです。英語が「できない、話せない」 と思う前に「何かできること」を探す癖をつける、そんなことも心がけています。

 

最後に「特にコーチとして」というわけではないですが、「知っている」 英語を「使える」 ようにすることも心がけています。読み書きではわかる内容が、英会話となると、言葉にならない方もわりと多いです。ある意味、日本の英語教育は読み書き中心だったので、当たり前といえば、当たり前ですよね。例えば、「How are you?」の答え方。文字で見ればわかるけれど、いざ聞かれると、すぐに英語の返事がでてこない、そんな方も珍しくありません。だから、これぐらい「知っている」 という内容であえて会話ワークを行い、「知っている」 英語を「使える」 ようにしていきます。

以上のことを心がけながら、生徒さんの「英語が話せたらいいなぁ」という憧れを実現させるサポートをしています。

 

コーチとして、具体的に授業に取り入れているテクニックなんかはありますか?

 

人はできていること、できるようになったことには気づきにくく、できないことに注目しがちです。そこで、レッスンでも、「承認」という、相手に現れている変化や成長に気づき、それを言語化して伝えるスキルをよく使います。「以前言えなかった表現が言えるようになりましたね」とか、「沈黙の時間が短くなりましたね」など。「承認」というコーチング用語は知らなくても、こうした声がけをしていらっしゃる先生も多いんじゃないかと思います。

あと、3ヵ月で1タームなので、最初のレッスンでそれぞれに3ヵ月後の目標を宣言してもらい、中間、最終回のレッスンで目標の達成具合を振り返ってもらうという時間もとっています。そうすることで、自分でも自分の変化や成長に気づきやすくなります。

 

英語の先生がコーチングを活かした関わり合いを生徒と持ちたいと思う時、まず何をするべきだと思いますか?

 

取り入れやすいスキルとして、生徒さんのできているところを言葉にしてあげることだと思います。先にあげた「承認」のスキルですね。

とはいえ、コーチング・スキルは新たに創り出されたものではなく、マネジメント力が高い人、才能を引き出すのがうまい人の会話を分析して、発見されたかかわり方の特徴です。なので、コーチングを学んでない人でも、もう取り入れられていらっしゃるかもしれませんね。

 

英語の先生方に、何かアドバイスをください。

 

日本は、他の国に比べても学校での英語教育が充実していると思います。なのに、なぜか英語を話せる日本人が少ない。個人的に、学校英語の減点法が、「間違えてはいけない」という思い込みを作り、「英語が話せない」日本人を作り出しているのではないかと思っています。例えば英作文で、英語の意味は通じるのに、3人称単数のSを忘れて1点減点、〇〇がなくて1点減点、結果その問題はゼロ点になったりする。でも、学校英語のテストだとゼロ点でも、英会話なら、意味が通じれば満点です。

「Can you speak English?」の質問に、日本人は「No, I cannot.」と答える傾向があるように思います。同じ質問に、違う国の方は「Yes」と答え、話しかけたら、あまりにも通じなくてびっくりしたことがあります。

英単語だけでも知っていれば、Yes と答える人。
英語の質問を理解して、英語で答えているのに、No と答える人。

アメリカに来てから約2年、娘の英語力の向上を見ても感じることですが、「英語が話せる」と思って学ぶのと、「英語が話せない」と思って学ぶのでは、英語の吸収力や、会話力が全然違ってきます。だから、英語自体の学習ももちろん大切ですが、「できない」ではなく「できる」に注目した声がけや関わり方など、ちょっとしたメンタルのサポートも取り入れると、相乗効果が期待できると思います。

 



Takako_san2伊藤 貴子

ピッツバーグ大学の開発学の分野で修士号を取得。卒業後、発展途上国でマイクロファイナンスプロジェクトを実施するNPOに就職。ワシントン本部で勤務した後、プロジェクト現場のグルジア共和国に2年、ロシアに1年の計4年駐在。その後、JICAのジュニア専門員として、東京本部で働いた後、JICAパナマ事務所に3年間駐在。結婚・出産を機にコーチングと出会い、自分の、そして他人の可能性を広げるコミュニケーションスキルを学ぶ。このコーチングの学びと、英語で学び、英語で仕事をしていた経験を活かして、現在、コーチ、英会話講師として活動中。

 

伊藤貴子先生のブログ:絵本で英会話力アップ

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