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鈴木裕先生のWebセミナー:報告レポート

ミツイ直子     2016年10月16日にZoomにて鈴木裕先生のWebセミナーがおこなわれました。タイトルは「英語学習でのイメージを使った明示化」。   今まで一般的に「明示化」といわれると、英語教育では「訳語」や「文法」が使われてきましたが、ここ近年「イラストによる明示化」が注目されています。どうして「イラストによる明示化」が英語教育において効率的なのか、鈴木先生のお話を聞くことが出来ました。   鈴木先生は、いくつかの観点から「イラストによる明示化」の効率点を挙げられました。     まず、文法を「地図」に例え、それぞれの英語学習者によって必要となる「地図の精度」が異なることをお話してくださいました。例えば、鈴木先生は「ネイティブの子どもは地図なしに歩き始める」と言い、学習者は最初は簡易化された地図(大雑把な「文法地図」)から入って、疑問が湧いたり必要になったときに例えばGoogle Map のStreet Viewのように細かい「文法地図」を利用すれば良いと言います。個々の英語学習者に「文法理解」の差があり、それでも問題なく英語を使っていく事が出来ている状態が、よく表現されている例です。   続けて「日本語ベースの地図」には書き込めないものも少なくなく、例えば英語の場合は(1)前置詞、(2)可算名詞と不可算名詞、(3)冠詞、(4)時制、(5)仮定法、(6)所有代名詞等だと主張され、だからこそ日本人英語学習者のこれらに対する理解が低いと指摘されました。これらは今後の鈴木先生のイラストベースの参考書プロジェクトとしても取り上げられる予定だそうですので、沢山の英語講師や英語学習者がその恩恵を受けられそうですね。   また、今まで英語の明示化のために使われてきた手法である「訳語」や「文法」の効率性を認識しつつも、人間のもつワーキングメモリーの観点から考えるとそれらの「明示化手法」は必ずしも効率的ではなく、むしろ脳にかかる負担が大きいこともあると説明されました。   そうして、脳の処理能力を上げるために「イラストによる明示化」を提案されたのです。     それぞれの英単語の持つイメージをイラスト化するのは鈴木先生の得意とするところです。事実、その「英単語を的確に(その単語の持つイメージを壊さず)イラスト化する能力」を買われ、今夏には初の出版もされました。 ただ、そんな鈴木先生は、「世の中に出回っている“イラストで覚える英単語”系の参考書のイラストは、必ずしも各単語のコアイメージを表しているわけではなく、その多くが“挿絵”の域を越えていない」と指摘。ですので、「イラストや、イラストから奮起されるイメージを上手に利用して英語を教えよう」と思う英語の先生は、使用教材のイラストが本当に単語のコアイメージを表しているものなのか、それとも“挿絵”なだけなのかをきちんと判断し、賢い選択をしていくことが必要となりそうです。   他にも多くの英語情報を惜しみなくシェアしてくださった鈴木先生。参加者からは「とても興味深く、ヒントをもらえる部分がたくさんありました。」「ひろしさんはご自身の得意分野を発揮できる形で英語の教材を作られてるので、とても素敵ですね。」とお声を頂きました。鈴木先生、今回はお忙しい中、有益なWebセミナーを開催してくださいまして本当にありがとうございました。     【鈴木先生の著書、ウェブ書籍】          【鈴木先生がこれからプロジェクト参加される予定のGogengoウェブサイト】      

By admin | Event Reports
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05