批判的思考、教えていますか?

批判的思考、教えていますか?

ミツイ直子

 

profileMITSUIWhat’s Critical Thinking? 批判的思考って?

 

Critical Thinking(批判的思考)とは主要英語圏を始めとする教育先進国で推進されている思考パターンを指します。goo辞書によると、Critical Thinkingは「物事や情報を無批判に受け入れるのではなく、多様な角度から検討し、論理的・客観的に理解すること」とあります。

 

 

多くの教育者がCritical Thinkingの重要性を説き、日本の義務教育のカリキュラムに導入しようとしていますが、2012年の時点で、京都大学の楠見孝教授 (2012) は、Critical Thinking(批判的思考)は学校教育法五一条(高等学校における教育の目標)並びに社会の期待に応える教育改革の推進にてその重要性が説かれているものの、「その修得すべき内容を定め、教育方法や評価法・単位卒業認定することは未解決の問題である」と述べています。

 

2015年の現時点でもCritical Thinkingを教える体制が整っていないにも関わらず、文部科学省は2020年から新たに改定される「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」は思考力を重視すると発表しています(毎日新聞, 2015)。この思考力がCritical Thinking Skills(批判的思考力)を含むというような直接的な明記はないものの、「思考力を判定するため、問題文の長文化▽教科を横断するような問題▽記述式問題−−を採用する。」とあることから、Critical Thinking Skillsがあった方が有利になることが分かります。

 

更に、個々の能力に重きが置かれる国際社会で活躍できる人材を育成するためにも、かねてよりCritical Thinkingの重要性を説き、その思考法を積極的に教育に取り入れていた米国は、より生徒のCritical Thinking Skillsを高めるカリキュラムを取り入れるようにと、米国義務教育(K-12、日本の幼稚園年長~高校三年生にあたる)のCommon Core Standards(日本でいう学習指導要領のようなもの)を見直し始めています。

 

つまり、今すぐにでもCritical Thinkingの重要性を説き、生徒にそのSkillsを身につけさせるような教育を開始しないと、生徒は日本国内の教育改定に乗り遅れるばかりか、将来世界を舞台に活躍したいと思っても、その土俵に立つだけの基礎さえ持っていないということになってしまいます。

 

また、”Compared to students in a control group, the kids given critical thinking lessons made substantial and statistically significant improvements in language comprehension, inventive thinking, and even IQ” (Dewar 2009-2011) と、あるように、Critical Thinking Skillsを教えることで生徒の可能性を大きく広げてあげることが出来ます。

 

英語講師として、私たちには何が出来るでしょうか?

 

 

Why Us? Why Critical Thinking Skills? なぜ私達英語講師が批判的思考力を気にするの?

 

「なぜ私たち英語講師が、生徒の批判的思考力を気にしないといけないの?」
「学校に任せておけば良いんじゃないの?」
こう疑問に思う先生方もいらっしゃると思います。

 

動画でも紹介していますが、Critical Thinking Skillsは「移民の行き来が激しく、様々な人種が生活を共にしている欧米社会」に合った考え方です。つまり、高い英語力を持ち、欧米社会の文化やコミュニケーション法を熟知している私たち英語講師こそがCritical Thinking Skillsを教え広めるのに適していると言えるのです。例え生徒が、現時点でCritical Thinking Skillsを持っていないとしても問題ありません。英語を教えると共に、Critical Thinking Skillsを養えるようなアクティビティーを行っていきましょう。日本語での文章を書くのが苦手な人でも、英語ライティング力を身につけることで日本語での文章力をも上げることが可能なように、今Critical Thinking Skillsがないとしても、英語を学ぶのと同時にCritical Thinking Skillsを高めるようなアクティビティーを行っていくと、英語でだけでなく、日本語ででもCriticalな考え方をしていくことが可能となります。私たち英語講師の少しの工夫と心がけで、生徒の「英語以外の、国際社会で大事な能力」を伸ばすことが可能となるのです。

 

また、日本ではCritical Thinking Skillsを高めることを意識した授業を行っている英語の先生はまだ数が少ないので、今からそれを始めることで、確実に皆さんの「他の英語の先生との差別化」が可能となります。人間の脳が受け取ることのできる「学びの容量」に限界がないように、生徒が学べることにも限界がありません。生徒が何をどれだけ学べるのかは、私たち英語講師が取り扱う情報量に関わってきます。生徒の可能性を広げるためにも、英語だけでなくCritical Thinking をも教えるのはとても大事なことなのです。

 

 

How to improve Critical Thinking Skills? 批判的思考力を伸ばすには?

 

Critical Thinking Skillsを伸ばすためには、まず生徒に「考える癖」をつけさせることが大事です。ただ、闇雲に「このお題について考えろ」と言っても生徒は自発的に考えるようになりませんし、その場限りのアクティビティーになってしまいます。あくまでも「自発的に、そしてCriticalに考えること」を習慣化させるのが目標ですので、そのためにも生徒の年齢に合ったアプローチを取るようにしましょう。

 

Lang Leaves Educationでは、生徒のCritical Thinking Skills、Critical Reading Skills、そしてCritical Writing Skillsを伸ばすためのガイドブックを販売しています。年齢別にご紹介していますアプローチは普段の授業に簡単に取り入れることが出来るものばかり。良かったら是非ご覧ください。

 


 

FrontCritical

 「Think, Read and Write CRITICALLY」

 

【こんな人にお薦めです!】

● 児童・小中高生・大学生や社会人に英語を教えている。
● 生徒の英語力だけでなく思考力も伸ばしたい。
● 生徒の批判的思考力を伸ばす方法を知りたい。
● 普段の授業に、生徒の批判的思考力を伸ばすポイントを導入したい。

 

【教材概要】

Critical Thinking (批判的思考) とは主要英語圏を始めとする教育先進国で推進されている思考法。日本でも多くの教育者が Critical Thinking の重要性を説き、義務教育のカリキュラムに導入しようとしていますが、日本人に馴染みのない Critical Thinking は教育者にさえ受け入れられていないことがあります。
個々の能力に重きが置かれる国際社会で、英語力と同じくらい必要とされ始めているCritical Thinking Skills。これを機に、(1) Critical Thinking とは何か、(2) 生徒やお子様の Critical Thinking Skills を伸ばすには何をするべきか、(3) Critical Reading や Critical Writing とは何か、(4) 生徒やお子様の Critical Reading や Critical Writing を伸ばすには何をすべきか、が確認できます。

 

【教材のフォーマット】

ダウンロード教材。PDFファイル。61ページ。

 

【値段】

3240円。

 

【購入方法】

こちらのウェブサイトからダウンロードが出来ます。

 

 

 

(ETAJ代表理事:ミツイ)

 

 

1件のコメント

コメントを残す