TESOL : 生徒との関わり方:セッションメモ

TESOL : 生徒との関わり方:セッションメモ

なわだ めぐみ

 

 

<勉強会当日のポイント概要・まとめ>

 

初心者英語講師さんや、これから英語を教えてみたいという方向けに

TESOL(Teaching English to Speakers of Other Languages)の勉強会が開催されました。

 

勉強会の冒頭でミツイ先生より学習者との接し方について、

英語力の向上のみならず、それぞれの人生において素晴らしい経験としてもらうこと、

を意識することが大切、とのお話しがありました。

この点を念頭に、参加者の皆さんはTESOL及び各自のレッスンについて思いを巡らし学びました。

 

TESOLで紹介される情報は、斬新さがあるとか目新しいもの、というわけではありません。

一見あたりまえのことのように思えるものもあります。

しかしながら、”知っている”ということと”行動できている”ということは違います。

この溝を埋めるような具体的な行動をすること、そして日ごろの自分の在り方を意識することこそが

英語講師には大切なポイントとなるのではないでしょうか。

(こういった理由から、TESOLは学問というより職業訓練という方がイメージに近いようです。)

 

 

<当日のトピック>

 

  • Responding to Learning Needs
  • Using Pair & Group
  • Work Working with Large Classes
  • Keeping Your Class in Good Order
  • Mature Learners

 

それぞれに一部抜粋をして具体例を掲載します。

自分のレッスンではどう工夫できるだろうか、という目線でお役立てください。

 

  • Responding to Learning Needs

・生徒に自信をつけてもらう、伸ばしてもらうための工夫をする

減点方式→加点方式へ。extra homeworkなどを与えるのもよい

・生徒-講師との関係が、安全安心の場所であることを明確に伝える。

その為にも普段の言動や行動も一致しているか、振り返ることが大切

・英語学習において、生徒の”興味関心”と”目的”は必ずしも一致しないことがあることを知る。

(例:料理が好きなので料理に関する英語を学ぶのは楽しい。けれども目的はTOEICスコア取得)

・生徒が自己決定できるようになると幸福度が上がるという研究結果がある。

生徒が自己決定できるようになるためには、という視点を持つ。

・Bloom’s Taxonomyの紹介

https://etaj.org/archives/4333

・The Affective Filter Hypothesisの紹介

http://eldstrategies.com/affectivefilter.html

・神戸大学の研究 – 「自己決定」が幸福度を上げる 紹介

http://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/news/2018_08_30_01.html

 

  • Using Pair & Group

・グループワークをすることの意図をきちんと伝える

・学習者の中の”why”と”how”を大切にする

・学習者に理解してもらったうえで取り組んでもらう

・ワーク終了後に声掛けをしてフィードバックをもらうのもよい

・Why?の大切さ - How great leaders inspire actionの紹介

https://www.ted.com/talks/simon_sinek_how_great_leaders_inspire_action

 

  • Work Working with Large Classes

・生徒の名前を出来る限り呼ぶようにする

・生徒にレッスンを手伝ってもらう

・静かにしてほしい時、大きな声を出して制するのではなく、「静かにしてほしい」というサインを、レッスン初期に決めておく。

(例:ベルをならす。無言のまま指でサインを作る)

・信頼できる同僚と意見交換をする

 

  • Keeping Your Class in Good Order

・自分の授業のポリシーを決める

・各生徒にattentionを向ける

・対応が難しい生徒は、個別に話をする

・自分一人で背負いすぎず、同僚や運営チームを頼る

 

  • Mature Learners

・久々に英語学習をする社会人生徒さんは、最初はゆっくりスタートを切る

・生徒の、社会人経験などを通じて知り得ている知識や経験を尊重する。教材選びなどで配慮する。

・英語の教え方やアプローチは時代と共に変わっているが、それに馴染みがない学習者もいるかもしれないことを配慮する

・生徒に対する配慮が、講師側の思い込みになる場合もあるので気を付ける

・公平さや、顔を立てるということも求められる時がある。おだてるのでは無く、承認欲求を満たすような活躍の場を設けるなど工夫をする。

 

 

<当日の参加者からの感想・質問(一部抜粋)>

たくさんの大切なエッセンスが凝縮されていて、とても勉強になりました!

自分がやっていること、これからやりたいことと照らし合わせて確認しながら聴くことで、

すでに出来ていること、もっと改善できることがわかり、とても有意義な時間でした。(中村麻里先生)

 

大学・大学院での専攻が英語教育で、TESOLについてはその一部として学び、ちょっと仕事でその知識を活用しています。

今日のお題は、いかにその知識を十分に活用しきれていないということに気付けました。

「聞いたことはあるけど、それをいつ・どのような場面で使おうか?」を、意識的に指導場面で取り入れたいです。(柴原由貴先生)

 

 

皆さんそれぞれに自分のレッスンプランを振り返るよい機会となったようです。

また、勉強会後も、以下のような質問が出ており、ETAJメンバー同士で活発な意見交換が続いています。

 

「大事にしたいことの一つが、子どもの個性を大切にすることなのですが、

言語学習以外のところにも目を向けて、一人一人が力を発揮して輝けるような環境を作ってあげたいと思っています。

そのために、どんな工夫ができるか、どんな配慮が必要か、他に具体的な事例があれば、お聞きしたいです。」

 

「大人で過去のトラウマをどう克服するか、意見を聞きたいです。

(例:中学の英語の先生が嫌いで、英語も同時に苦手科目になった。

高校入ったら英語が難しくて急についていけなくなってしまいそれ以来苦手意識が続いている)」

 

これらの意見交換は、ETAJ入会メンバーのみが参加できるClosed Groupにて行われております。

ご興味がある方は、ぜひともこちらのページよりお問い合わせください。

 

 

◆ETAJ会員は、後程、この勉強会の動画を視聴することが可能となります。

準備が出来次第お知らせしますので少々お待ちください。

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