ETAJ Convention 2018 報告レポート②

ETAJ Convention 2018 報告レポート②

ミツイ直子

 

2018年7月21日に神奈川県の横浜市にて English Teachers Association of Japan の Convention をおこないました。当日の会場の様子はこちらの報告レポート①でご覧いただけます。

 

 

当日、10名の先生方が登壇され、様々な学びの機会を提供してくださいました。

 

 

最初はETAJ代表理事を務めさせていただいている私ミツイがご挨拶をおこない、参加者の皆さんに自己紹介をしていただきました。

ETAJでは特定の著名人の方からお話を聞くのではなく、お互いの英語Storyを大事にしてインスパイアし合い、学び合うことを心掛けていますので「たかが自己紹介、されど自己紹介」。英語歴、英語教授歴に関係なく、皆さん、やはり素敵な英語Storyをお持ちだということを再確認できる時間となりました。

 

 

 

 

そうして、最初の発表に移ります。

 

最初は岐阜県在住の清水健雄先生が「実践的な英語教育における「気付き」の重要性」についてお話してくださいました。小学校と大学の事例から、絵本や「アイ・メッセージ(I Message)」を英語の授業で使っていくということについてご紹介くださいました。特に後者は英会話でもポイントとなってくることですので、そんな「発想の転換」の重要性を改めて確認する機会となりました。

 

参加者の方からは以下のようなフィードバックをいただきました。

「絵本のワーク、とても参考になりました。小学校では中学の内容を前倒しにするのではなく、こうしたワークで外国文化に触れる機会にすればいいのにと思いました。」

「You と I を入れ替える練習が必要なほど、日本にいると、私達は「私が」どう思うのか、ど うしたいのかを伝える訓練ができていないことに改めて驚かされた。」

 

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そして、京都府在住の中井先生の発表に移ります。中井先生は大学の期末考査中だったため会場にはお越しいただけませんでしたが、前川未知雄先生が代読を務めてくださいました。中井先生は、ご自身の「2016 年度において、大学 1・2年生の TOEIC 対策講座の指導法に変更を加えた結果、前年度に比べ、スコアの伸びが著しく見られた」という経験から、それまでの指導法と2016年度の指導法をご紹介くださり、その効果について第二言語習得理論に基づいて考察してくださいました。

 

参加者からは以下のようなフィードバックをいただきました。

「TOEIC 対策に関して、世の中は会話したり生徒さんに話をさせる事が重視されていますが、 きちんとルールを日本語で説明して、理解させてからの方が点もあがったという事実を知ってびっくりしました。」

「TOEIC の指導法、対比で分かりやすく、とても参考になりました。今回の調査対象が大学生だったけれど、大人の方にも通用する内容だと思いました。」

 

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3人目の登壇者はカリフォルニア州在住の私ミツイでした。私は米国を含む諸英語圏の教育現場で使われているBalanced Literacy Approachと共に、そのアプローチを取り入れているClassroom Settingを2ヵ月間にわたり聴講したことで得た気付きをご紹介させていただきました。また、ETAJには個人指導をおこなわれている先生方も多いので、個人指導でのBalanced Literacy Approach導入法もご提案させていただきました。

 

参加者からは以下のようなフィードバックをいただきました。

「生徒さんの内側の What, why, how をきちんと一緒にみつけてあげるのは先生の役目ですね。 丁寧にステップをみていてあげる重要性を学びました。」

「Reading & Writing を同時に教えること、子ども達が全員同じようになる必要はない。レベル 別やグループに分けて、子ども一人ひとりの個人の成長を見てあげることが大事。私もそう在りたいと思えました。」

 

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次に、米国州立モンタナ大学の助教授、ETAJの特別顧問を務めてくださっています宮下瑞生先生からの発表を聞きました。夏学期真っ最中の宮下先生に会場にお越しいただくことはできませんでしたが、参加者のためにビデオレターをご用意くださいました。先生が専門とされている絶滅危機言語の研究のお話を始め、普段、日本にいたら耳にすることがないようなお話を伺うことが出来ました。

 

参加者からは以下のようなフィードバックをいただきました。

「言葉を守っていく、伝承していく、好きになる、という、日ごろ考えないようなことを考えるきっかけになりました。」

「日本人として文部省が教えている歴史を身に着けることがはたして本当の自分のアイデンティティなのか?という問いにハッとさせられました。」

 

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5人目の登壇者は茨城県在住の柴原由貴先生でした。柴原先生は「内向型のためのアクティブラーニング環境デザインに関する提案」をご紹介くださいました。日本でも導入が開始された「アクティブラーニング」ですが、多くの先生方がディスカッションやグループワーク等の、外面だけがアクティブな授業の進め方にばかり意識が向いている現状の中、深みのない授業への 変質ばかりでなく、内向型の学びの保障が懸念されています。超内向型だというご自身の体験もご紹介くださり、外向型だという先生方からは発表後も質問攻めに合う柴原先生の姿が見られました。

 

参加者からは以下のようなフィードバックをいただきました。

「内向と外向の二項対立の内、自分とは異なるタイプの方へ接する時に難しいと感じることがありました。あまり急かすと圧迫ですし。今日のお話で、相手にとって何をメリットと受け取ってもらえるのかよくよく観察してみたいと思いました。」

「内向型の方は必ずいらっしゃり、教える側にも配慮が求められると思います。参考になりました。」

 

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ランチ休憩をはさみ、お聞きしたのはドイツ在住のすがゆうこ先生の発表です。ゆうこ先生も会場にお越しいただくことは出来なかったのですが、ビデオレターをご用意くださいました。トピックは「ドイツと日本にみるキャリア教育システム」。日本の教育システムと大きくかけ離れたドイツの教育システムに対して知識を持たない参加者が多かったので、ゆうこ先生からのお話は「良い教育とは何か」を考える良いきっかけとなりました。

 

参加者からは以下のようなフィードバックをいただきました。

「学校に学業を全てまかせきりにしてしまう親も多く、ドイツのように家庭での学び、親も子供の成長に関わるべき。」

「早い段階でゴールを設定、見極める事は大変重要で、日本の教育でも必要と感じました。」

 

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7人目の登壇者は東京都在住のなわだめぐみ先生でした。なわだめぐみ先生は、個人事業主として活動する英語講師が多いETAJならではのトピックとして「同業者との信頼関係の築き方」を、実例と共にご紹介くださいました。実際に、なわだ先生はETAJの会員同士の潤滑油として非常に重要な役割を担ってくださっています。そして、それが可能なのは、なわだ先生ご自身が他会員と信頼関係構築を大事にされているから。既に実践されている、説得力のあるお話でした。

 

参加者からは以下のようなフィードバックをいただきました。

「信頼関係というと、まず相手の事を考えてしまいますが、まず自分が応援準備をするという事も大切という事を改めて認識しました。有言実行されている姿もステキです♡」

「恵深さんには、メールをいただく度に励まされていました。その秘密を今日のプレゼンで教えていただいて、とても納得です。ジェラシーなく人を応援できるのって才能ですよね。」

 

そして、そのままなわだ先生がETAJのシステムやETAJ会員となるベネフィットについてご紹介くださいました。今回のコンベンション参加がETAJとの出会いとなった参加者に、ETAJの魅力が十分に伝わったようです。

 

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次に、石川県在住の前川未知雄先生から「お客様意識の強い生徒を如何に上達させるか」というお話をお聞きしました。ユーモアたっぷりに沢山の実例をご紹介してくださったのですが、その裏に垣間見える「苦労」は、英語を教えていたら誰もが経験したことがあるもの。それでもシッカリと窮地を乗り越えられた前川先生からは、参加者全員、大きく学ぶことがありました。

 

参加者からは以下のようなフィードバックをいただきました。

「覚悟を決めて、真剣に、生徒に向き合う、という意気込みがいかに必要かということがよく伝わってきました。」

「教師と受講生の関係に「乳化作用」と表現されていましたが、教師が覚悟を見せるとは、コーチが常に現状を超えたゴールを設定し、ハイエフィカシーでいることがクライアントに作用することに通じると思いました。」

 

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9人目の登壇者は米国ワシントン州在住の新田ゆかり先生でした。「日本人のセロトニントランスポーター遺伝子多型の割合と英語運用について 」というトピックでお話してくださったのですが、その難しそうなタイトルとは裏腹に、非常に分かりやすい説明をしてくださったので、参加者全員が「英語を教える時の新たなアプローチ」を垣間見ることができました。

 

参加者からは以下のようなフィードバックをいただきました。

「とても興味深い内容でした。心のよゆうが大事。人に興味を持ちつづける事が大事。新田先生のやさしい人柄がすごく伝わってきて良かったです。」

「自分を整える、ということと、人への興味をもつことが教育の効果を高める、ということを知っておくと、とてもいいと思いました。」

 

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最後の発表は福岡県在住の坂本彰男先生による「洋書100万語多読のすすめ」という発表でした。当日、会場にお越しいただくことが難しかったので、私ミツイが代読を務めさせていただきました。坂本先生は、実際に高校生に多読をさせることで、英語力を大きく伸ばすという偉業を成されています。ご紹介いただいた方法を真似させていただければ、どんな生徒の英語力をも伸ばすことが出来るのではないかと、参加者全員が希望を持てました。

 

その後、英語多読用の本と出版社をご紹介させていただき、多読時に活用できるウィスパーフォン作りも行いました。

ウィスパーフォンというのは学習者自身の声をより明確に聞くための発話音声フィードバックツール。本来、言語療法のために開発されたものですが、今では言語障害を持たない児 童や第二言語学習者もしくは外国語学習者にも利用されています。 Whisper Phone の利点である①学習者が自分の声を明確に聞くことができる ②騒がしい環境下にいても自分の声に集中することができる、という2つの理由から、米国では小学校低学年の教室にて取り入れられることもあります。

参加者にはお土産としてウィスパーフォンをお持ち帰りいただき、多読時や授業に活用していただけたらと思います。

 

参加者からは以下のようなフィードバックをいただきました。

 

「多読、私自身がまず取り組みたいと思います。ウィスパーフォン、活用します。」

「机上の空論ではなく、実際に先生が何年もかけておこなわれ、結果を出された方法を知ることができて非常に参考になりました。」

 

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残念ながら、ETAJの特別顧問を務めていただいていた衣川信之先生が急遽お越しいただけなくなってしまったので、衣川先生のお話をお聞きすることはできませんでした。

 

最後に、代表理事として私ミツイがご挨拶をさせていただきました。

 

ETAJの在り方。

ETAJが大事にしていること。

ETAJの目指すところ。

 

そして、それを達成するには個々の会員の「自立心」ではなく「依存関係」こそが必要なのだとお話させていただきました。日本では「依存」というとネガティブな意味で捉えられてしまいますが、「依存関係」は辞書によると「ある人・物と他の人・物とが、互いに頼り合う間柄であること」です(Goo辞書より)。それは、まさにお互いを助け合うETAJの形であり、このConventionを開催することでも明確になったところでもありました。

 

多様性があれば知恵も知識も集まり、個々の心の余裕も生まれます。

自分自身で立ったうえで、お互いを尊重しながら頼り合う。助け合う。

 

これからも、そんな素敵なETAJで在りたいと思いました。

 

 

このConvention開催に際し、多くの方に様々な形でご協力いただきました。本当にありがとうございました。

 

 

ETAJ のFacebook、Closed Group では先生方が役立てることが出来るような便利なウェブサイトのご紹介などもしています。

良かったらご参加ください。

 

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