上條麻子先生にインタビュー2

上條麻子先生にインタビュー2

 

教材開発がお得意の上條麻子先生。今回は、新しい教材を開発された経緯についてお話をお伺いしました。

 


 

洋楽を歌ってるとリズムが合わない?「その違和感ってすごく大事だ!」

 

 

今回、新しい教材を作られたとお聞きしました。新しい教材を作ろうと思ったきっかけを教えていただけますか?

 

ひとつは、知人が「洋楽歌ってると何かリズムが合わないんだよね」とつぶやいていたのを聞いたことがきっかけです。その違和感ってすごく大事だ!って思ったんですよね。

 

カラオケで洋楽を歌っていて、曲と自分の歌い方が何か合わないなと思いながらもなんとなくやりすごしているのって、多くの人に経験のあることだと思うんです。私自身がそうだったのですが、そういう違和感を持ち続けながら洋楽を聞き続けてきました。その合わない理由が長年経った後にやっとわかって、修正してうまくはまるようになった瞬間、歌うことがすごく楽しくなったんです。楽しくなると、もっと練習したくなります。

 

そんなふうに、楽しみながらリスニング力をUPできる方法を伝えていきたいと思ったことがきっかけです。

 

 

どんな生徒に向けて作りましたか?どんな効果が期待できそうですか?

 

音楽が好きで洋楽を歌ってみたいという人にはぜひ取り組んでもらいたいなと思います。特に、さっきも言ったような違和感を持っている人。歌ってみるんだけれども何か英語らしくないのが気になる、もっと上手に歌いたいと思っている人です。

 

カラオケに行くと、ネイティブの人が洋楽の上手な歌い方についてレクチャーしている動画があります。そこで強調して言われているのが「リズムよく歌いましょう!」ということなんですね。でも、日本語の曲の感覚で歌うと英語で言うところの「リズムのよさ」にたどりつかないんです。それがどうしてなのか、そのあたりを言語化し、練習法を具体的に書きました。なので、本を読めば、何が問題になっていて何を修正すればいいのかがわかると思います。書いてあることを参考にしながら練習してもらえば、英語らしく歌えるようになる→歌うのが楽しくなる→リスニングも上達するという循環を作れるはずです。

 

最近、趣味でボイストレーニングを習っているという人がレッスンを受けてくれました。英語自体は初心者の方だったんですけど、メロディーの入りがなぜ合わないのか、カタカナで歌うとリズムが合わないのはなぜなのかなど、こちらの解説を非常によく理解してくださいました。そして、今練習している曲にあてはめて実際に修正することができました。音楽の素養がある人は、リズムを身につけるのも早いと感じています。

 

 

どんな先生に、どうやって教材を使っていってほしいと考えていますか?

 

洋楽を使って英語を教えたいが、どんな風に教えたらいいのか模索しているという先生にぜひ使っていただきたいです。

洋楽は英語学習にすごく効果的だと思うのですが、特に学校英語では省かれてしまうことが多く、人によっては(特に年配の人)そうした学習が邪道だと思っている人もいるくらいです。「洋楽は娯楽であり、学習ではない」と思っているんですね。私のいるところが田舎だからかもしれませんが、「苦しいことこそが美徳」ととらえているので、彼らには「楽しい学習」なんて受け入れられないのだと思います(苦笑)。でも、どこかで「楽しい」と思えないと、物事って絶対上達しないと思うんです。教科書にオマケ的に載っているから、授業の合間になんとなく聞いて終わりにするのではなく、リスニング指導の一環としてきちんと活用できれば、英語学習における洋楽の扱いも変わっていくのではないかなと思います。

 

それと、今気になっているのが、長文はある程度読めるけれども、会話となるととたんに理解できなくなる生徒さんが多いということです。

先日リスニングテストを受けた生徒さんが何人かいたんですが、その結果が一様にさんざんだったことがありました。進学校の生徒さんたちなのですが、そのみんなが軒並み間違えたんですね。ごくごく簡単な内容なんですが、少し状況を把握する必要のある会話でした。おそらく、説明文ばかりを読む練習をしているから、行間を読まないんです。それに加えて、アメリカでは誰もが知っているごく日常的なフレーズを、長年英語を一生懸命勉強しているのに全く知らないという状況も度々ある。これはすごくいびつな状況だと思っています。洋楽を使った体系的な学習方法が存在すれば、こうした状況が少しは変わっていくのではないかという思いもあります。

 

 

他の英語の先生方へのメッセージをお願いします。

 

英語本来の読み方ができない生徒さんがまだまだ多いですし、特に学校だと発話のよしあしがまだまだ軽視されていると思うので、この状況を変えていく必要があると思っています。音楽が嫌いという人はあまりいないと思いますし、その意味で多くの生徒さんに関心を持ってもらえるとっかかりになると思います。洋楽をただ聴いて楽しむだけでなく、しっかり学習もするという流れになるといいなと思います。同じ気持ちを持つ先生にはぜひ本書を活用してほしいです。

 

 

 


 

上條 麻子

東京外国語大学卒。卒業後、都内の翻訳会社で編集業務に携わる。
28歳から英語を本格的に学び直し、留学せずに英検
1級・TOEIC940点を取得。
中学生から社会人に至るまで、マンツーマンでこれまでに
100人以上の生徒を指導。
大学受験、医学部受験、英検対策を専門に担当。また、企業にて社員向け
TOEIC対策講座を実施中。

 

 

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